ワゴンタイガー

2018年10月27日 趣味
ワゴンタイガー
▼映画『新・男はつらいよ』

1970年2月27日公開シリーズ第4作。

寅さんが競馬で大穴を当て柴又へ帰ってくる。
おいちゃんとおばちゃんを連れてハワイへ行くんだと息巻くも・・・
出発日当日、旅行会社社長にチケット代を持ち逃げされたと発覚。
しかしあまりのお祝いムードにそのことを言い出せないまま飛行場へ。
夜中こっそり帰ってきた3人はとらやで潜伏生活を始めるのだった。

という前半はそんな実に落語めいた話。
単純にコメディとして楽しめつつも、おいちゃんおばちゃんに楽しい思いをさせてやりたい・・・という寅さんの気持ちと、そんなんじゃない自分たちは寅さんにカタギになってもらったほうがよっぽどうれしいんだ・・・という真心のぶつかり合いが切なくもあり。

後半は御前さまが園長を務めている幼稚園の春子先生(栗原小巻)との話。
まあすでに恋人がいる人でありフツーにフラれて終わった。

おいちゃんが寅さんの恋について、なんであんなべっぴんに惚れるんだ俺だったら自分の面のことを考えてとても本気にはなれないね、みたいなことを言っていた。
なんだかわかる気がする。
可能性のひとつとしては、もしかしたら妹さくらの存在が寅さんの身の程ハードルを低くしているってこともあるんじゃないかと思ったり。
幼少期からかなり懐いていたらしいし、大人になってからもあんな美人にずっと心配されてやさしくされたら、なあ・・・って。
もし女性を見る目がさくら基準になってたらそら難しくもなるだろうと。

とはいえ寅さんは惚れた相手に惚れられることもある。
でそうなったらなったでまた別の問題が出てきて結局うまくいかない。
無意識においての身の程知らずが、意識したとたんにリアリストになって自壊する。
寅さんにとって、人を好きになるということはどこまでも夢の世界の話なのだろうか。

というか寅さんの惚れる人って、基本ほとんどがしっかりした女性ばかり。
だからいざという段階になると自らと相手を比べて身を引いたりもする。
その問題をクリアするにはやはりシリーズ7作目の花子や、18作目の綾のような、何かしらで生活において他者の助けが不可欠な人でないと難しいように思える。
当然それは金銭面以外のことで。
社会生活においても寅さんが、この人には自分が付いていなくてはと思えるそんな人。

でも、そういや寅さんは、自分に合った人を探そう、なんて気持ちで恋愛を始めたことなんてないんだった。
いやそもそも恋とは、恋とはそもそもそういうものではありませんか。
人間とはなんて不確かな生き物なのでありましょう。


▼ドラマ『今日から俺は!!』

ストーリーがかなり原作に忠実な形で再構築されている。
必然キャラの強さも原作準拠と感じられるのがすごい好感持てる。
今回うっかりした作品だと今井をただのお笑い担当キャラにもしそうなところ、今井なりの強さがしっかり伝わる形になっているし。
そこはそうしてほしい、ってところをしっかりやってくれそう。

三橋の役者さんはあんだけはっちゃけているのに嫌味がないのがすごい。
イケメンが無理してる、間違った空気でがんばってる、とかでないのが。
あの若さでこんなんできる人って相当限られそう。
あと三ちゃんの読みはやっぱり「さんちゃん」でいいんだな。
単行本でもそうなってたはずだからずっとそう読んでたのに、高校の時になぜか「いや”みっちゃん”だろ?」って総ツッコミうけて「えーそうだっけ・・・」ってなった思い出。
でもやっぱり「さんちゃん」じゃねーか!

京子はどうしても原作のスラっとしたイメージが強いんだけど、伊藤とのバカップルっぷりは実に良い。
テイストは多少違えども、この二人はそうそうこうだよね、って思える。
見てて楽しい。

理子は、まあ、うん。
理子父は良い、おもしろい。
あのティーチャーズパートもかなり好きだ。

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