この橋はな――人呼んでなみだ橋という

   いわく・・・・人生にやぶれ生活につかれはててこのドヤ街に流れてきた人間たちが

   なみだでわたるかなしい橋だからよ

   三年ほどまえのわしもそうだった おめえもそのひとりだったはずだ・・・・

   だが こんどはわしとおまえとでこのなみだ橋を逆にわたり

   あしたの栄光をめざして第一歩をふみだしたいと思う

   わかるかわしのいうてる意味が・・・・? 
 
 
 
   ああ? わしのいうてる意味がわかるかよジョー!
 
 
 
 
 
今日は「あしたのジョー」文庫版5巻読んだああもう読んだ。
てかジョーはさー、先に出所した力石がテレビで試合をするのをある日少年院で見るのさ。
そんでかつてあんなに激しくやりあった力石の勝利に「やったやったやりやがった!」って飛び上がって喜ぶんだ。
その様子に青山と西が、
「矢吹さん・・・」
「ジョー・・・・おめえって男は・・・・」
って感激しかけるんだけど、
「そうだ力石、そうやって腕を高々と上げてもらうがいい。自分の強さをぞんぶんにほこるがいい。おれがしゃばに出ておなじそのリングの上でおまえをずたずたにたたきのめす日がくるまでよ!・・・そのとき・・・・あの高慢ちきな葉子おじょうさまがどんなおカオをなさるかね。そのつらをおがむのがじつにたのしみだぜ。まあいってみりゃあそれが、いまのおれの生き甲斐みたいなものさ」
ってガチで言って皆を絶句させるというこの場面が俺は大好きだ。

そうして自分の出所日には有刺鉄線のバリケードを挟んで少年院生達と泥のぶっかけあいをする。
お互いにからかいあった挙句のヒートアップだ。
そんでやりきってジョーが行こうとすると、な、なんでえもういっちまうのかよ・・・とかなって、ジョーもあばよ元気でなとか言って、「いりゃあいたでやっかいだし・・・・いなくなるとへんにさびしくなるなんて・・・・おかしな男だよ矢吹ってやつは」っていう教官の言葉とか全部本当ベタっちゃベタかも知れないんだけど最初から通して読んでるとまあ泣けるのさ。
でこの日はまたかの有名な、上記なみだ橋のセリフもあったりするのだけれど、このあとがまた。
おかえりジョー兄い!とか例のちびっ子どもが迎えてきたり、少年院でボクシングに魅せられた&ジョーと離れたくないって理由で同じ丹下ジムに入っちまった西とか、ジョーの退院と丹下拳闘クラブの前途を祝して集まったドヤ街の連中とかが夜会を開いてどんちゃかやるんだけども、ジョーはあまりの、そして初めての感動にどう喜んでいいかわからなくなっちまう・・・。
そんで皆が寝静まってから、一人寝床でジョーは初めて人の愛に涙を流すんだ。
もうここは、読者として、なんだろうもう、なあジョーよ・・・なあ。
ていう。

これからは真面目に地道に働いてプロボクサーを目指すぜ!林屋で西と一所に働くぜ!はっ・・・・よ・・・・葉子!
いいえ、他人の空似の林屋の一人娘紀子です、紀ちゃん(ある意味伝説の女)です。
つって、そんな感じにもなったりして、なんかさー、今までずっと一人でかっぱらいとか詐欺とかやって生きてきたけどさー、汗水流して真面目に働くって、地道にプロボクサー目指すって、悪かねえなーみたいにジョーが西に言ったりするんだよこれがまた!!
で、おっちゃんがそれをきいたらどんなによろこぶか(西)、いちいちオーバーなやっちゃな(ジョー)つって、仲良く帰るんだけど、おっちゃんはまだ帰ってきてない。
おっちゃんはこの日立ち上げたジムを正式に認定してもらおうとボクシング・コミッショナー事務局に行ったのだけれど、全然帰ってこなくて・・・と思ったら酔っ払って暴力沙汰起こしてポリスの世話になってるってどういうことだよおっちゃん!!!!!!というどうしょもない展開。
おっちゃんはかつての仲間たちのいる事務局へ、イヨー!みたいな調子で行ってかるーく認定してもらっちゃっおうかなーみたいなノリだったのだけれど、いやいやいやいや・・・丹下君、キミがかつてボクシング業界で行った数々の蛮行、忘れちゃったの?と。
そう、おっちゃんは、丹下段平は、ジョーと出会う前にもジムトレーナーをやっていたことがあったのだけれど、飲んだくれては試合中罵声を浴びせる、客とケンカする、自分の選手に不利な判定を下したレフェリーを殴るなどのトンデモ行為を繰り返していたのだ。
い、いやでも今のわしはちがうんだ!本当だ!生まれ変わったんだ!それにすげえ逸材見つけたんだよ!ジム立ち上げたんだよ!後生だから認定してくれよ!
つってもまるで取り合ってもらえない。
そうしておっちゃんは酒を飲みブチキレて事務局に殴り込みを仕掛けてしまったのだ・・・。
「すまねえ・・・・す・・・・・・・・すまねえ・・・・」
「するとさ・・・・つまりおれたちにはあしたってやつが――永遠にこねえってことなんだ」
何かが壊れたジョーは突如笑い出す。
ものっそい乾いたような、狂ったような、声と表情だけで笑うのだ。

そーして、もういいよ、また元の俺に戻るだけさ、みたいにジョーは気の抜けたようになるのだけれど、事態は意外・・・でもない方向へ。
あの白木葉子の、白木グループの立ち上げたボクシングジムへ、おっちゃんがトレーナーとしてジョー&西込みで誘われるのだ。
ジョーも悩んだあげく、あの葉子の世話になるような形は気に入らないが、背に腹は変えられない・・・みたいに承諾しかけるのだが・・・しかし力石と、既に白木ジム生として活躍中の力石と出くわし、ジョーは、ちがう、自分が一番やりたいのはボクシングじゃない、この力石とプロのリングの上で戦うことなんだ、ということを思い出す。
同じジム所属の選手では試合ができないのだ。
で断る。
その帰りにジョーとおっちゃんはなんだかんだで殴り合いをして、ダダダダダダダダダダグワシャーンバリッパリーン(矢吹丈に蹴り飛ばされた丹下段平が階段を転げ落ちてガラスをぶち割った音)なって、この有様にとうとう西が泣き出してしまうという始末・・・。

しかしジョーは考えていたのだ!!

あしたへとかける橋、閉ざされた道なら、自らの手で切り開くまでよの策を考えていたのだ!
「おれには一つ打つ手があるのさ、ちょっと荒っぽい手だが橋をかける方法がな!」
果たして!!!(文庫版6巻へ続く!)

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