台風クラブ

2018年6月9日 趣味
『台風クラブ』
相米慎二監督作1985年8月31日公開。
少年少女時代のある種の衝動をわかりやすく可視化した作品。
だと思う。
わかりにくいという評価もあるのは、かつての自身や周囲の有様を忘れているか、それか映像化されているものを視覚的なリアルそのままと解釈して見ているからではないだろうか。
世代のちがいというのもあるかもしれないけど。

ラストはだいぶ皮肉的な対比でおわった。
大人へと向かうこと不安や怒りや悲しみ、正体のわからない閉塞感、そういったものを賢いがゆえに頭で考えたのみの結論で破滅へ向かった三上と、家出して東京へでて外の空気にふれどうにか無事に帰ってきた理恵、そこまで疑問をもたず土地に根差して純朴に生きていきそうな明。
素直にうけとれば理恵と明にはさわやかな暗示をみることができた。
対する三上の選択は、見たものたちへ人生観を問い続ける姿であり、それがために我々に突き刺さった楔である・・・だから頭から突っ込んだんだねー。
ってことでもないんだけど、そんなふうに考えておきたい。

登場人物のだれもがそれぞれに抱える深刻さを露わにしているなか、ひとり表面的にはひたすら能天気な森崎みどりが愛らしかった。
演じていたのが渕崎ゆり子、声優として普通にメジャーな、自分的には『おじゃる丸』のカズマの人とあとで知った。

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